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 雑感-。

 渡辺王座に羽生二冠が挑む五番勝負の第4局です。


 結果から言えば、
 千日手指し直しの末、羽生二冠が渡辺王座を破り王座を獲得。

 両者持ち時間が10分を切り22時を過ぎて終局近しからの千日手成立、指し直し局は深夜2時にまで及ぶ大熱戦でした。

 とにもかくにも話題に上がったのは千日手局での、122手目・羽生二冠の△6六銀と打った手。
 渡辺王座が数手先に用意している▲6六桂打を消した手でしかも先手玉に詰めろをかけた手。要するに敵の打ちたいところに打ってなおかつそれが詰めろですよ、という手でした。細かい戦術、手順はわからずとも素人目線ではそれくらいの理解でも十分だと思います。

 122手目棋譜コメントより
後手玉の▲8三飛△同金▲同銀成△同玉▲8二飛△7四玉▲6六桂からの詰みを消しながら、先手玉に詰めろをかけている。恐ろしい手があったものだ。


 今回感じたのは羽生さんの特に後手番での柔軟さです。
 第2局、第4局で見せた角交換四間や2手目3二飛車。対渡辺、タイトル獲得への貪欲さと将棋の柔軟さの現れだと思います。
 王座戦での羽生さんを見るにつけ以前読んだ、梅田望夫氏の著書「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」のとあるページを思い出していました。
 本棚からその本を取り出しそのページを開いてみると案の定ページに折り目がついていて、

 
「ここ10年は今までの将棋の歴史のなかで一番変化が大きい時代。そのなかで、謙遜ではなく、自分自身は決してトップランナーではなかった。いかにして追いつき、新しい感覚を身につけるかに忙しかった」

 朝日新聞のインタビュー記事なので引用の引用といったところですが、この言葉そのもののことが王座戦で繰り広げられたように思いました。羽生さん自身のインタビューや他の棋士からの評ではことあるごとに、固定観念を捨て、その時に優秀だと思う戦型は取り入れ、その為の情報は積極的に収集する、といったところですが、上記に連綿することと思えます。
 多少ズレてるかも知れませんが。


 いっぽう、渡辺竜王。

 今まで獲得したタイトルを失冠したことがない、などと言われてきましたが、まあそれもその筈ですよね。二冠になったのも初めてだったんですから。獲ったからには必ずいつか失う。いつまでも勝ち続けるわけにはいかないのです。勝って当然というのは霞のような幻であり、勝つか負けるかということのみに於いては五分であり必勝というのは存在しません。
 一局の趨勢は刻一刻と目まぐるしく入れ替わり勝敗はギリギリのところで決します。とくにこの二人の対局は最終盤でもよく解らず必ずと言ってもいい程もつれます。ただ、今シリーズはそういったシーンは少なかったのかも知れません。
 しかし、ここで"初"の失冠をクローズアップするのはいかにもナンセンスで、羽生さんが王座を取り返したというような表現を用いるのも同様であり、深夜2時を越えた時点でのあの盤面、シーンにはそぐわないと感じます。
 最終盤、後手(渡辺)敗勢に紛れが無くなったところからそれでも一手一手指す渡辺王座。早く投了したほうがいいのではという声もありましたが、どうしてもそうは思いませんでした。

 この一手には必ず意味がある。

 この将棋での意味はなくとも必ずこれからに繋がる。

 そんな気持ちで見ていました。


 とにかくこの将棋に関しては両対局者、記録係に立会人、関係者の方々、並びに深夜まで観戦していたファンの方々にはお疲れさまでした。




 間、髪を容れず竜王戦が始まります。

 
 そして秋が深まりだします。





(了)


※タイトルの移動があったために、さん、二冠、王座、竜王の呼称が入り乱れています。すみません。
 ほんとうは全て、さん、でいきたい^^;
# by norimaxim_9981 | 2012-10-04 21:30 | きせん
 渡辺王座に羽生二冠が挑む五番勝負の第3局です。



 後手番の渡辺王座が選んだのは雁木。
 初めて見ました。

 ところが3一玉や3三桂など角を狭くするような手が多く(攻めの手だとかは言われてましたが)最初から最後まで全くと言っていいほどいいところなく後手投了。

 渡辺1勝・羽生2勝となり、渡辺カド番・羽生王手となりました。


 勝因敗因は今回も先後の角だったように思います。

 後手の角は前述のとおり常に狭く、2四の位置を最後まで生かせる展開になりませんでした。

 先手の角は相手の△6五歩からの仕掛けから手順に角道が開け上手く活用できました。
 またこの仕掛けからの銀桂交換の駒損も1六桂や手渡しの間合いが絶妙で終始主導権は羽生二冠が握っていたように思います。


 渡辺王座としては仕掛けの△6五歩、羽生二冠としては▲9五金打がポイントだったように思います。



 渡辺王座のことなんで、

 「2つまでは負けらるんでしょ」

 と言うよりは、

 「3つ勝てばいいんでしょ」

 だと思いますので、この完敗の内容は後に引きずるようなこともなく第4局へ向かってくれることでしょう。


 羽生二冠も番勝負の戦いは心得ているでしょうから、一気に行くというような気持ちに捕らわれることもなく改めての第4局だと思います。


 第4局も熱戦を期待です。




(了)


※素人目線すみません。
# by norimaxim_9981 | 2012-09-19 22:12 | きせん
 神戸で開催されているWCCC2012へ行ってまいりました。

 今回のレポートは特に「行ってきました」ってだけの内容です。
 すみません。

 フランスのチェスチャンピオン、マキシム・バシェ・ラグラーブ氏と羽生善治王位・棋聖の友好対局です。(羽生二冠の飛車落ち、チェスは先手)
 チェスと将棋の対局ですが、それを同時におこないます。
 将棋で一手指し、チェスで一手指したらチェスクロックを押す、といった感じで進行します。(持ち時間は各1時間)


 会場の入り口。
 
ちぇすぷろぶれむ_a0248281_2331859.jpg


 対局を観戦する各席にはチェスと将棋の盤が用意されています。
 写真はもう終盤ですね。(たぶん)
 
ちぇすぷろぶれむ_a0248281_2325169.jpg


 結果は、将棋は羽生さんが勝ち、チェスはラグラーブ氏の勝ちでした。

 チェスの投了(Resign・リザイン)の際、羽生さんがラグラーブ氏に握手を求めたのが新鮮でした。


 観戦してた外国の方が持参していた携帯のマグネット盤(チェス盤)が可愛らしいのが多くて将棋盤でもああいうのがあればなあと思いました。(写真撮らせてもらえばよかった。)(国際交流できなんだ)



 WCCC(World Congress of Chess Compostion)とは何ぞや?
 WCCC2012kobe,Japan
 [サイト内のブログではその時の写真がたくさん掲載されています。]


 だーっ!!(忘れてた)

 あと、あと、最後の感想戦のまとめの時に羽生さんに突如英語でスピーチしてくださいと無茶ぶりがあった際に、

 「え?え?英語ですか?」なんてドギマギしながらもその後流暢にスピーチしてらしたのがこの日最大の萌えポイントでした。
 羽生さんの生エイゴが聞けたのは俺得でした。いや皆得でしたか。
 そしてそれを咄嗟に動画撮影した俺勝ち組、って感じです。自分GJです。





(了)
# by norimaxim_9981 | 2012-09-17 23:38 | イベント
 順位戦A級3回戦、渡辺(明)-橋本戦です。


 後手橋本八段は先日の王座戦第2局で挑戦者・羽生二冠が採用して話題になった角交換四間、ただし羽生さんが披露した構想を辿らずに向かい飛車に。

 先手渡辺竜王優勢の終盤、74手目△2五飛が4五の馬取りになるも構わず▲4二歩成。
 そこから4手後の79手目▲3六銀打が誰も予想だにしていなかった、しかしそれ故に強烈な決め手となり、この手を見て後手投了。



 さて、ここからはいつもの素人目線。
 4二歩成が“決めにいった手”と言われましたが、3六銀打は手の解説を読むにつけ“完勝を狙った手”という印象を抱きました。

 つまり、

 順位戦、2回戦を終わった時点で1勝1敗、名人挑戦には早くも負けられない状況です。

 尚且つ、前の王座戦での敗戦。


 あらゆる意味で負けられない大義名分の道の果てに3六銀打の強烈手があったように思います。


 これでまた王座戦が面白くなるのは勿論、引き続き順位戦、また明日挑戦者が決まる竜王戦が白熱することは間違いないようです。





(了)

 ※渡辺(明)の表記を使ってみたかっただけ+はじめての携帯投稿
   
# by norimaxim_9981 | 2012-09-11 00:13 | きせん
 解説会などのイベントに行くとよく見かける風景。

 若手棋士がパソコンと対峙する姿はネット将棋姿を彷彿とさせ、これがなかなかのマッチングで萌えポイントです。

 ちょっと思いついたので集めてみました。


 2011年11月19日・女流王座戦第3局
 糸谷哲郎五段(当時)
 
ぱそこんだんし ぷらす_a0248281_0295251.jpg

 

 2012年2月1日・順位戦A級ラス前
 豊島将之六段(当時)
 
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 2012年2月1日・順位戦A級ラス前
 山崎隆之七段
 
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 2012年3月2日・順位戦A級最終局
 船江恒平四段(5日後にC1昇級規定により五段昇段)
 
ぱそこんだんし ぷらす_a0248281_15345642.jpg
 


 2012年2月1日・順位戦A級ラス前
 室谷由紀女流初段
 
ぱそこんだんし ぷらす_a0248281_0405670.jpg

 





(了)

 コンデジめいっぱいズームにつき画質堪忍す。
# by norimaxim_9981 | 2012-09-08 22:00 | イベント