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 渡辺王座に羽生二冠が挑む五番勝負の第2局です。

 先週の第1局からまだ1週間しか経っていません。

 第1局を後手番で制した渡辺王座。先後入れ替わっての第2局の戦型に注目が集まりました。
 (本当に集まったのか?)
 

 前の53期王位戦で挑戦者の藤井九段が羽生王位に対して採用した角交換四間飛車を採用し4手目・4二飛と羽生二冠が飛車を振った時点で波乱の幕開け。

 
 (個人的には羽生さんの振り飛車にはあまり驚かないんだけど。)

 ただ、どんな手でも指してみようという貪欲さにはいつも驚かされます。戦型即採用というのはよく見られると思うのですが。

 さて昼からは、羽生二冠の玉が右に左に行く"一人千日手"もありましたが、渡辺王座が千日手にする気は微塵もなく陣形を固めながら一旦は4八に寄った飛車を再び2八に戻す柔軟な手を指して2筋で開戦。

 夕食休憩ごろまでは優勢を保ちながら指し進めていた先手渡辺王座でしたが、徐々に差を縮められてついには逆転。とうとうそれが覆ることはなく羽生二冠の勝ちとなり番勝負は1勝1敗の五分となりました。
 またもや後手番のブレーク。

 個人的な感想で言えば、5筋に打った角の差だったように思いました。

  
 △5二角打と▲5一角打

 5二に打たれた角は最終的には4三に収まりこの場所で長いあいだ先手陣を苛めていたように思います。

 5一に打たれた角は指した直後から働かず最終盤の局面でも後手の好手(6一金引)により万事休す。 

 勝負どころはもっと他にあるでしょうが印象に残っている手でした。



 さて今回、特に話題になったのが羽生二冠の角交換四間飛車と一人千日手でした。

 前者は前述のように個人的には瞠目するに値せず、後者については正に賛否両論でしょうが、もともと千日手含みの手であり自ずから交戦するような手ではないことを踏まえ、且つ、勝負に辛いということは決して悪いことではない、といいうのが極個人的な感想です。

 ここで負けたら一気に持っていかれる、という羽生二冠の気概は恐ろしいくらいでした。
 また、羽生さん相手ここまで極限の戦いができる渡辺王座にも畏敬の念を禁じえません。
 このお二人が対峙したときの次元の違いは言いようがありません。

 勝敗五分になりあらためて三番勝負となりましたが、第3局は少し間をおいて2週間後の9月19日。
 
 また命を削るような戦いになることは必至です。



 (了)





※素人目線、知識不足によるあれやこれやは堪忍ね
# by norimaxim_9981 | 2012-09-06 00:05 | きせん
 渡辺王座に羽生二冠が挑む王座戦五番勝負の第1局です。

 王座戦は渡辺王座が昨年羽生王座より3連勝でストレート奪取して以来一年ぶりに渡辺"王座"と呼んでもらえる棋戦なのです。(だってふだんは竜王、よくて(?)二冠だもん)

 後手番の竜王、うんにゃ王座はいつも通りの△8四歩。
 さてここからは、初代永世竜王を賭けた第21期竜王戦第6、7局でも指された△5三銀右の急戦。
 
 そこから後手が飛車先の歩を交換したのに対して先手羽生二冠は▲3六歩と飛車先の歩を交換しない手から早くも前例を離れまくりまくりすてぃの意地の張り合いのような息を呑む展開に。
 最後は多少のアヤもあったようですが、羽生二冠の攻めを受け切っての渡辺竜王、うんにゃ王座の勝利。

 素人目には両者、勝っても負けても強しの内容だったように思います。

 とくに後手となった渡辺竜王、うんにゃ王座の強さが際立っていたように感じられます。

 今局については、昨年の竜王戦第4局、関西将棋会館で行われた大盤解説会の際に糸谷五段(当時)が渡辺竜王・王座について語った言葉を思い出しました。

 
糸谷五段「全体的に緩まない。どこかの局面が強いというわけではなく全ての局面で強い。どこかの局面が100ではないけど全てにおいて(序盤・中盤・終盤)90・90・90というのが渡辺竜王の強さです。」桐山九段、渡辺竜王の強さとは?の問いに。

 当時のつぶやきより


 なるほど、序・中・終盤に於いてその局面局面に於いて100の力を発揮することをスペシャリストと言うならば渡辺竜王、うんにゃ王座の強さはその平均力の極限までの高さと言えるのでしょう。
 当然、羽生二冠もスペシャリストの分類には収まらずこのタイプであることは間違いなく、さらに言えば100・100・100であるとも言えます。
 私見ではありますが、タイトル戦、特に対羽生戦に於いては渡辺竜王、うんにゃ王座も100・100・100モードになると思います。

 さて、このままでは当然終わらない張り詰めた空気感を抱いて第2局以降の戦いがまた始まります。

 
 熱戦期待。

 
 (了)
# by norimaxim_9981 | 2012-09-01 23:40 | きせん
 羽生先生の授業での言葉を断片的、箇条書きで(ツイッターより)


 主題:大局観について

 
 「感性とは、直感と閃きに別れると思います。直感は訓練や勉強などやってきたことにより養われ、閃きは先天的なもの、虫の知らせというのもそうですし、第六感というのもそうです。」

 「将棋の手というのは、100ある中から2つか3つを選ぶもので、カメラのピントを合わせることに似ています。」

 「集中力というのは誰にでもあるもんなんです。小さい子でもひとつのことを集中してすることはできます。ただそれが長続きしないだけなんですね。集中力というのは伸ばしていくようにしていくもので、それの手助けをするのが教育なんです。」

 「手が震える、というのはこの場面が勝負所だと分かるからなんですよ、直感で。分からなけば震えません。」

 「昔から短歌、俳句というものがありましたが、限られた中で表現するという文化があるからTwitterは日本人に特に受け入れられたんだと思います。本質的なもの根本的なものは変わっていない。それを俯瞰してみると歴史の息吹が感じられます。」

 「歴史というのは勉強ではなく小説みたいなものだと思います。ということはそれが国語になって歴史と国語が一緒になっていろいろな科目が同じように結局はひとつになってしまったら学校は要らなくなってしまうんですけどね。ははははー(大笑い)」

 「デビュー二年目くらいですかね、大山先生と指したときなんですがびっくりしたんです。」

 「なにがびっくりしたかというと、大山先生がですね全然考えていないんですよ。全く局面を読んんでいない。読んでるとかそうでないというのはこちらにもそれなりに伝わってくるんですね。それでもいい手を指すんですね。こっちは考えてるのに」

 「世代によって違うものなんですかね。ロジック立てて考えるとか、感覚的に指すとか。」

 「直感というのが若さ。読みはロジック。大局観が感性だと考えています。世代によってその比重が変わっていくものだと思います。」

  「若さの強さというものがあります。アクセルとブレーキで例えればアクセルを踏み続けるのがそうなのかも知れません。ただ年齢を重ねていくとブレーキを自然に踏んでいるんですね。しかしそれが若さにない強さです。」

  「ひとつだけ思っていることがありまして、『やってることが間違ってなくてやる気がないことを不調』だと言うんだと思うんです。」

 
 以上、授業中の羽生先生の言葉でした。



(了)
# by norimaxim_9981 | 2011-12-03 22:41 | イベント
 2011年12月3日、ワールドシフト神戸(WS_KOBE)というイベントに行ってきました。

 このイベント自体の趣旨は"大人の学校へ入学"してもう一度学びましょう的なもので(だいぶ端折ってるが)、神戸にある廃校となった小学校を使っています。
 "授業"形式のトークショーで教室の机に着席して教壇に立つ講師の授業を受けるという塩梅。

 教室はこんな感じですね。

 
わーるどしふと_こうべ_a0248281_2242980.jpg


 授業内容というと、

 
わーるどしふと_こうべ_a0248281_2254228.jpg


 そうですそうなんです、今日は教室で羽生さんの授業が受けられるというレアイベント。
 
 最前列のど真ん中に陣取り待っていると、

 
わーるどしふと_こうべ_a0248281_22127100.jpg


 ご本人とーじょー。

 近い、近すぎ。とにかく近い。
 
 授業内容は、大局観、について。

 
わーるどしふと_こうべ_a0248281_22152049.jpg
 
 
 お隣は予備校講師の依田さん。
 お二人の軽妙なトークが絶え間なく続くのです。

 
わーるどしふと_こうべ_a0248281_22173995.jpg
 

 この日いち番の萌えポイント。
 羽生さんはとにかくこの、やや上を見つめる仕草をよくされます。
 個人的イメージでは、中空に現れては消える文字を瞬時に選択して拾い集めて言葉にしている、そんな感じ。
 
 あっと言う間の50分。
 授業後"生徒"に取り囲まれる羽生"先生"。便乗して並んで著書・大局観に"大局観"のサインをげっとです。



(了)
# by norimaxim_9981 | 2011-12-03 21:57 | イベント
 渡辺竜王に丸山九段が挑む竜王戦第5局の関西将棋会館での大盤解説会に行ってきました。

 結果は渡辺竜王の勝利で、防衛となり竜王8連覇を達成しました。
 今期の角換わりシリーズは竜王の強さが目立つ対局が多かったですね。

 
りゅうおうせん だいごきょく_a0248281_03248.jpg
 解説の脇謙二八段と吉田正和四段です。

 
りゅうおうせん だいごきょく_a0248281_082196.jpg
 次の一手で扇子が当たりました。
 「一歩千金」竜王 渡辺明


 これで、今年のタイトル戦は終わりですね。




(了)
# by norimaxim_9981 | 2011-12-02 23:57 | きせん